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26歳既卒短期職歴有りの私が経験した公務員試験勉強、面接対策をご紹介します。職歴があっても合格はできる!

【筆】資料解釈は得点源になる!

資料解釈。。。はっきり言って苦手でした。解説をいくら読んでも全く解けないほど相性の悪い科目でした。良くわからないグラフや貿易関連の表を見せられてもどこをどう見れば答えにありつくのか意味不明だったのを今でも覚えています。でも、畑中敦子の資料解釈問題集を5周くらい徹底的にこなしたところ、いつの間にか資料解釈が得意分野になり、本番で8割以上の正答率をはじき出すことができました。教え方って大事ですね。。。

 

そんな問題集から導き出したコツはたった1つ。「暗記すればいい」ってことです。資料解釈を暗記???と思われるかもしれませんが私は暗記で乗り切りました。具体的には出題パターンを覚えるんです。これまでの過去問を見ていると、資料解釈って出題されるパターンは7~8しかないんです。そして、それぞれに表やグラフの中で見なければならない箇所や解き方もある程度決まっています。私はこれを徹底的に暗記し、問題演習を繰り返して慣れさせました。

 

ここでこんな疑問を持つ方もいると思います。「7~8パターン以外の問題が出たらどうする?」。。。そういう時はこれまでの経験で解いてみるか運に身を任せるか捨ててください。新傾向の問題はみんなも初めて見るので、そんな問題に時間を使うのではなく「解ける」問題に時間を充てる方がいいと思いますね。試験本番は、いかに平常心を保って問題を解くかが重要になってきます。焦ったり戸惑ったりするのは大きなロスなので、こんな良くわからない問題が出てきたら無視してもいいとすら思いますよ。

 

ここでは具体的なパターンと傾向は書きません。まぁ、覚えていないってのが大きな理由ですが、それよりもご自身で勉強しつつパターンを見極めていってほしいんですね。そんなパターンを把握するために最も優れた問題集が「畑中敦子の資料解釈」だったわけです。これ以外の問題集ははっきり言って一切使い物になりませんでした。

 

そしてこの資料解釈。勉強を始めるタイミングは正直な話来年の2~3月くらいでいいと思いますよ。資料解釈よりも数的・判断・空間の方がたくさん問題が出るので、こちらの勉強をある程度進めてからでいいでしょう。具体的には数的・判断の問題集を3周くらいやった後でいいと思います。そもそも私は資料解釈を捨てようとしていたので3月くらいまで一切勉強していませんでした。でもなんとなくやってみるか、と少しずつ取り組んでいったら結構得点できることに気づけたので、短期集中でも間に合うような気がします。

 

受験生を悩ます数的・判断・空間・資料。結局はたくさん数をこなせば何とかなりますので、こなすツールを的確に定めて勉強に打ち込んでください!

 

 

畑中敦子の資料解釈 ザ・ベスト 改訂版

畑中敦子の資料解釈 ザ・ベスト 改訂版

 

 

【面】面接にて質問した際、こんな回答が返ってきたら要注意

面接って公務員試験でも新卒・転職活動でも必ず行われます。そして中身は相手側(企業等)からの質問に答えるという形で進んでいきます。そんな面接の最後には「何か質問はありますか?」と聞かれることが多いですね。私がこれまで出席してきた面接の中でこの質問を聞かれなかったことなんてほぼありません。聞かれない場合は、応募者に判断材料を提供しない組織なんだ、と志望度をかなり下げてしまいます。公務員試験の人事院面接は別ですが、やはり相手のことをもっとよく知り入社に値する組織かどうか自分も判断したいと思っています。だからこそ、聞きたいことを聞けない場合は判断できないと感じ、入社意欲も減ってしまうのでしょう。

 

では、無事に質問できたとしましょう。でもここからが肝心です。大事なのは面接官が話す回答です。この回答があまりにもダメなものであればさっさと辞退する方がベターです。人事採用場面に出てくる職員はある程度デキル優秀な人である場合が多いです。なぜなら組織は人で構成されており、優秀な人を常に入れなければ組織としての成長は停滞するからなんです。つまり、デキル人の答え方、内容がダメなものであればそんな組織に入っても有意義な成長は見込めないかもしれません。また、優秀な人を面接官にしていないのであれば、採用や組織をより良くするという意識が低すぎるためそもそも自分から距離を取る方が良いのかもしれません。

 

それではそろそろ具体的な話をしましょう。私が公務員試験の官庁訪問や就職活動にて質問したこと、そしてそれに対する回答をいくつかご紹介しつつツッコんでいきます。

 

 

Q1.組織の雰囲気、風土はどのようなものですか?

よくある質問です。組織内で働いている人の目線で組織の良いところ、売り、働くことで周りから凄い刺激を受けるといったエピソードを間接的に聞いているんですね。。。こんな質問をしたところとある組織はこんな回答をしてきました。

 

A1.風通しがいい組織です。。。

はい、だめー。風通しがいい組織なんて日本全国すべての組織がそう言います。そもそも風通しがいいって何ですか? 部署を超えて情報交換や仕事のサポートが活発、とでも言いたいんでしょうか? もしかしたらずっと窓が空いてるから風通しが本当に良いのかもしれないですよね。要は、全く意味不明な回答だってことです。応募者が「私の強みはコミュニケーション能力です」と言っているようなものです。だから、こういう答えが返ってきたらもっと突っ込みましょう。具体的に? どういうときにそう感じましたか? 掘り下げるんです。ここで何も答えられなかったらそんな組織は見限りましょう。

 

Q2.これまでの業務の中で最もやりがいを感じたことって何ですか?

これも良くある質問ですね。どんな仕事をしているのか、そしてどんなことにやりがいを感じ、自分の成長につながったのか。こういうことを応募者側が上手くイメージできるような話であれば、自分が入社した際のイメージも作りやすくなります。それが志望度を高めるきっかけにもなります。また、その話を通じて「精神的なタフさ」「粘り強さ」「緻密さ」といった働く上で必要とされる能力を見出すことができます。例えば「毎日終電ギリギリまで作業したけど、本番で多くの人の笑顔を見ることができたことは素晴らしい経験だった」とか言われたら、残業は覚悟する必要あり、肉体的・精神的な強さは必須、人のために行動することが好きじゃないと務まらない、といった情報を得ることもできます。。。ではではとある組織の回答をご紹介。

 

A2.年末調整を無事処理し終えたこと。。。

はい、ふざけるな。こんな答えを聞いてあなたはエントリーした組織に魅力を感じるでしょうか? 一気に冷めました。最もやりがいを感じたことがルーチンワークの年末調整ですか、それ以上に刺激を受けたような経験は無いんですか、とエントリーしたことすら悔やむほど気味が悪くなりました。確かに年末調整は大切な仕事です。無くてはならない仕事でありどんな組織にでも必要とされる仕事です。でも、面接という応募者へのアピールの場にこんなエピソードを持ってくるなんてその面接官はレベルが低すぎるとしか思えません。もっといえば、年末調整について別の切り口で話してほしかったですね。チームワーク、システム化、失敗経験と克服経験などなど。

 

別にすさまじいエピソードを語ってほしいわけではありません。100億円運用したとか100万部売り上げる書籍を編集したとかそんなエピソードなんていらなくて、本当にちょっとしたエピソードで構わないんです。面接という場は相互理解の場であり、お互いがお互いに対し自分たちの良さを宣伝する重要な場面だという認識を持っていればこんな適当な答えができるはずがないと思います。もしこんな「冷める回答」があったり、感覚として冷めてしまった場合はさっさと別の組織にアプローチした方が将来のためです。

 

Q3.改善すべき組織の課題ってどんなものがあると思われますか?

これは結構好きな質問です。相手の弱み、改善点を知ったうえで自分もその改善活動に取り組みたいと思えるかどうか。また、自分がその弱みに対しどう貢献できるかを分析する手助けになる質問です。逆にいうと、相手がしっかりと自分たちの組織について理解しているかどうか、強み弱みを隠さず真摯に伝えてくれるかどうかという点は大切です。だって、相手は応募者に対し「あなたの強み、弱みを教えてください」とか聞いてくるのに、組織側が自分たちの強み弱みを話せないなんて馬鹿げた話ですよね。。。さてさて、この質問に対してとある組織はどんな回答をしたんでしょうか?

 

A3.特に無い。。。 

はい、辞退。もしかしたら本当に「無い」のかもしれません。でも、課題の無い組織なんて私は無いと思っています。こんな回答を自信満々でしてくる組織は、その面接官が採用活動をしていることが問題であり「課題」です。もしかしたら隠ぺい体質なのかもしれないですよね。弱み、改善すべき課題を知ることができない固い組織構造であったり、そもそも分析能力が弱いとも思ってしまいます。また、面接官が意図的に教えないというスタンスの可能性もあります。だったらそもそもそんな組織に入るのは不安です。見限りましょう。

 

まだまだ他にもたくさん書きたいことはありますが、それはまた別の機会にでもご紹介させていただきたいと思います。面接における自分からの質問は、自分が本当にエントリーした組織に入って後悔しないか、良いと思えるかどうかを知る重要な手がかりになります。しっかりと考え準備し挑むようにしてください。

 

 

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【面】官庁訪問ですべき質問って何?

官庁訪問で面接的な行為をしてくる組織は多々あります。表向きは「業務説明」ですが、訪問したらすぐにエントリーシート的なものを書かされて面接会場に移動し、職員3人が前の机に座り5人の参加者が横並びで椅子に座って一方的な質問をしてくる「それどう考えても面接じゃん!?」なんてこともありました。さらに、そもそも説明を聞きに行って判断材料を増やそうと思ってるのに「うちはの志望順位は何位ですか?」とか聞かれて困ってしまいました。

 

ちなみに私が話したこの答えは「お答えいたしかねます。志望順位を決めるには、いろいろとお話を伺い、また様々な情報収集をし、自分のやりたいことと合致しているかどうかを考える必要があると思っています。今回の官庁訪問にて貴局のことをより深くお聞きする予定です。なので今貴局のことをあまり知らない状態で順位を決めてしまうことは根拠のない単なるイメージにすぎないと考えておりますのでお答えいたしかねます」とかなんとか答えたような記憶があります。結果は通過。私的には「くだらん質問するな!」とイメージが悪くなっちゃったことはここだけの話。。。

 

こういう話はおいといて、官庁訪問や自治体の面接にて質問をする機会があった場合、どんな質問をすればより良い情報を得られるかを経験をもとに書いていきたいと思います。ただ、自分の評価を上げるような質問、相手に気に入られようと媚びる質問、なんてことを書くつもりはありません。最低限この質問をすれば相手の組織のこと、仕事のこと、人間関係のことを把握できるんじゃないかという観点からご紹介したいなって思っています。

 

1.組織の風土・雰囲気について

やっぱり組織に入る以上、どんな雰囲気なのか、固いのか柔らかいのか、体育会系なのかそうじゃないのか、上下関係や社内レクリエーションの有無などなどは事前に知っておきたいです。だって「できれば仕事は仕事と割り切りたい」「社内行事には一切参加したくない」という志向なのに、「社員旅行やバーベキュー大会やってます!」「課外サークル活動も活発に行われています!」という組織に入ってしまったら不幸になりますよね。ガチガチな体育会系寄りの人間関係が横行している組織を嫌う人もいるはずです。逆にそういう組織が最も自分に合うと思っている方もいると思います。

 

だから、長く働けるのかどうかを判断するためにもこのあたりの質問は確実にした方が良いでしょう。ただ1つ落とし穴もあります。多くの組織は「社員同士のレクリエーション活動は活発!」「社員旅行!」と書きたがる・言いたがる傾向があります。だって、やってる方がなんとなくイメージ良いでしょう? もし「社内行事一切なし」「人間関係は最小限を推奨」とか書かれているとなんか良いイメージを感じづらくなると思うんですね。私的には最高の組織だと思ってしまいますが、官庁の人事担当がこんなことをおおっぴらに言うはずがありません。だからやんわりと角度を変えて何度か質問してみてください。

 

2.面白かった仕事、難しい仕事について

就職活動で大切なことは、志望している組織に入り自分が働いている姿を想像できるくらい明確なイメージを持てるようになるまで相手先を知ることだと思っています。でも官庁の採用情報なんてはっきり言ってダメダメです。何も有益な情報なんて書かれていません。だからこそ、訪問時にお会いした人から仕事の経験を聞いてみてください。どんな仕事をして、どんなことが難しくて、どんなことで面白さを感じたのか。こういう情報を聞き、研究を深め、自分と合うかどうかをも見極めてください。

 

3.活躍している人、評価が高い人ってどんな人ですか?

要は、頑張ったこと、結果を出したことに対し正当な評価を受けることができるのか。評価される環境があるのかを見極めるための質問です。この質問に対する回答がてきとうなら、そもそも人事評価なんて適当なんだ、単なる好みなんだと考えることもできます。しかし物凄く説得力のある回答なら、どんなことを頑張っていけばよいのか? 自分にそれは足りていることなのか足りない部分なのか? そもそも相手が求めている能力を伸ばしていきたいと思えるか? といった視点の判断材料が増えます。また、複数人に同じ質問をすることで、この組織で求められる能力や人材像をイメージすることができるようにもなります。

 

組織によって評価基準なんてバラバラです。だからこそ、入りたいと思える組織の中で活躍するために必要な方向性を事前にはっきりとさせ、それが本当に自分がやりたいことなのかを見極めることで就職活動のミスマッチが減るのではないかと思ったりしています。

 

公務員試験 現職人事が書いた「面接試験・官庁訪問」の本 2014年度

公務員試験 現職人事が書いた「面接試験・官庁訪問」の本 2014年度

【概】ぶっちゃけた話、公務員試験はある意味EASY

誤解を恐れずにタイトルを書きました。就職活動の中で公務員試験というのは簡単な部類だと思っています。世間一般のイメージでは何となく難しそうなイメージはありますが、相対的に見ると簡単なんです。

 

ではいったいどういう事なのかを簡単にご説明しましょう。。。例えば民間企業の就職人気ランキングトップ10の企業を見てください。全日本空輸といった運輸業界や三菱東京UFJ銀行といった金融業界、商社、マスコミなんかが常連ですね。つまり人気があるが故に倍率がものすごい値になるんです。

 

今の時代、エントリーするだけならリクナビやマイナビを使ってクリック数回で事足ります。エントリーがものすごく簡単なので倍率が1000倍を軽く超えることもあるみたいです。つまり1000人のうち1人が内定、という事も珍しくありません。また、聞いた話によるととあるテレビ局のアナウンサー採用試験の倍率は3000倍を超えたとか何とか・・・ だから、民間企業でいくら入りたい企業があったとしても、思い通りに入社できる可能性って限りなく低いと考えざるを得ません。

 

それに対し公務員試験の倍率は高くても10~20倍程度です(中にはものすごく倍率が高い試験もありますが)。私が国家Ⅱ種を受けた時なんて7~8倍でした。さらにその中に記念受験生(公務員試験の特別な勉強をしていない人たち)も多数含まれていますので実質倍率はもっと低いでしょう。また、筆記試験に合格すると次は面接試験なんですが、1回です。地方公務員試験は2回とかありますが、国家公務員試験の合格者名簿に載るためには1回の人事院面接をパスすればOKです。官庁訪問とかを入れると話は別ですが。。。でも、国税専門官や裁判所事務官の試験は面接が1回のみです。

 

つまり何が言いたいのかというと、民間企業就職活動に対し公務員試験ってのは志望したところに入りやすいんです。東京都庁に入りたい!警察官になりたい!中央省庁に入りたい!と思っている人は頑張って筆記試験をクリアし面接対策をしっかりとやれば比較的狙い通りの組織に入ることが出来ます。逆に、全日空やみずほ銀行に入社したい!と思っていてもエントリーシートやグループディスカッション、面接と様々な選考を通じてふるい落とされます。人気企業なんかになると面接回数が7回8回もある場合があります。余談ですが、私が新卒時代にとあるウェブ系企業を受けたとき、7次面接で不合格だったことがあります。。。交通費がスゴイことになりました(泣)

 

また、公務員試験の場合は年齢制限の上限までは何度でもチャレンジできます。1度失敗しても来年、再来年と受け続ければ合格する可能性も高まります。民間企業の場合、一度受けて落ちたら二度目の挑戦はなかなか難しいと思われます。といいますか「新卒」でないとそもそもエントリーできない場合も多いですよね。

 

だからといって公務員試験が簡単だ、と言うつもりはありません。民間企業への就職活動に比べると再チャレンジも受験機会も多く与えられているので、合格するチャンスがたくさんあると言っているだけです。試験で合格するために必要な点数を取りさえすれば1次試験は合格できます。面接もしっかりと対策すればまだ落ちにくいのかなと思います。

 

公務員試験は受験要件を満たせば誰でも平等に受験できる試験です。学歴、性別で判断されるような試験ではありません。そんなわけなので、比較的入りたい組織をピンポイントで狙うことができる公務員試験。将来担うであろう仕事を妄想しつつモチベーションを上げ、試験勉強がんばってください!

 

学生のためのリアル就活本 就職活動ナビゲーション2014年度版 (日経就職シリーズ)

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【実】公務と民間企業の違いってあるのだろうか?

頻繁に話題に上がるのが「民間」と「公務」の違いといったものだろう。大学生時代に後輩への就職活動サポートと称したイベントの中で、「公務は競争が無いから民間企業に入るよりも社会人としての成長が無い」と話す人がいるくらい、多くの人は民間企業と公務の差を話したがっているように感じている。

 

しかし、両方の組織にて勤務経験がある私からすると、はっきり言ってこんな話はどうでもいいと思っている。いや、そもそも違いなんてものは何もないとすら思っている。確かに金銭的な利益を追求してるかしていないかの違いはあると思う。しかし公務は国民や地域住民の利益を仕事を通じて最大化しなければならない。「利益」がお金か形に表すことのできない気分的なものかの違いはあれど、民間も公務も本気で利益追求をしている組織であることは間違いない。

 

また、「公務は競争が無いから社会人としての成長が無い」という意見もよく聞いてきた。しかしこの意見は意味が分からない。まず「成長」とはなんなのかが分からない。収益を上げることができる能力なのか、チームをマネジメントする能力なのか、それとも飲み会で盛り上げることができる能力なのか。そこがはっきりしない以上、成長が無いと言われても首をかしげたくなってしまう。さらに「競争」が無いことが成長も無いことにつながる理由がわからない。ここでいう競争とはおそらく利益追求のための企業間競争であると思われるが、それに従事していなかったら成長できないと結論付けるのはいささか軽率ではないだろうか。

 

なぜなら民間企業でも公務でも人事や経理、総務といった管理業務で働く人は競争とはまた違った環境下で仕事をしている。それは「競争」に従事する職員がどうすれば働きやすくなるか、どうすれば活き活きとモチベーションを上げながら働くことができるか、という職場環境の維持や改善をしながら職員を支え組織をより魅力的なものに変えていく仕事であると思っている。こういう仕事に就くことで十分社会人としてもビジネスマンとしても大きく成長するものだと私は考えている。そしてこういった管理業務は公務にも当然存在する。

 

もっというと、公務は「国・地域をより良くする」「日本社会に貢献する」ことが強く求められる仕事であるが、民間企業もビジネスを通じて日本をより良くしたいと理念に掲げる企業も少なくない。つまり、目的も多少の違いはあれど同じ方向を向いているのではないだろうか。確かにミクロな目線で両者の仕事の違いを考えると細かな差異が山のように溢れてくるが、マクロな目線で見ると両者の違いは私には見えてこない。

 

だから、こういった議論は無意味なのだと思う。公務も民間もお互いが手を取り合い協力し現状をより良くするという目的を達成させることができれば素晴らしいのではないだろうか。私はこの両者を経験し仕事をした中で働きやすさといった違いはあれど大きな違いなんてものは感じなかった。違いが見えてしまうような組織なら何かが間違えているとしか思えない。そんな違いがはっきりと見えてしまうような世の中にしないためにも、これから公務員になるであろう皆様には「日本をより良くする」という目標をしっかりと持って社会に羽ばたいていってほしい。

 

【筆】法律学は面白い!

公務員試験の勉強を始めるまで憲法はおろか民法、商法などなどの知識が一切ありませんでした。それもそのはずです。大学時代に法律系の授業を1科目履修したことがありますが、憲法や民法といった分野を深く学ぶのではなく薄く広く知識を会得することが目的の科目でした。さらに学部は経営学部でしたので、法律とは縁遠い学生生活を送っていました。

 

しかし憲法や民法の勉強をじっくりとやったことで、「法律」の合理的な文章の組み立て方、様々な解釈とロジカルな主張に強く魅力を感じることができました。無駄を省き合理的に使われている言葉の重さを見ると美しさすら感じます。学生時代にもっと法律について興味を持って勉強をしておけばよかったなぁ、と少し後悔するほど今では面白い学問だと思っています。

 

そんな法律学の中でも私が特に魅力を感じたのは「論理」ですね。法律の解釈や議論、学説を読めばよく分かります。問題の定義、法律や凡例による解釈、結論と非常に明快に展開されます。これほどまでにロジカルに構成された文章は法律学以外ではあまり見たことがありません。そういう意味で、知的好奇心を満たすことができる面白さがあると思っています。

 

公務員試験では「憲法」「民法」「行政法」という一軍科目があり、二軍に「商法」「刑法」といった科目があります。一軍は大卒程度の試験で出題される科目で、二軍は労働基準監督官や裁判所事務官試験で出題される科目です。分野は違えど考え方は同じです。まずは「憲法」の勉強を進めつつ法律を学ぶ基本的なやり方を身に着け、それから民法や行政法に移るのが正攻法なんですね。でも、それ以上に「面白さ」を感じることができれば勉強がどんどん進むと思います。

 

たった一回きりの試験を終えて忘れるには惜しい知識です。ぜひぜひ興味を持って様々な事例を読んでみてください。もしかしたら将来何らかの形で役立つかもしれません。

 

憲法 第五版

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【実】ぶっちゃけた話、公務員の仕事は忙しいのか?

「公務員=楽」という神話を崇め奉っている方は多くいらっしゃいます。9時5時の世界だというフィクションをあたかもノンフィクションのように信じて疑わない方も多くいらっしゃいます。ぜひ皆様はイメージだけで判断し、実態を一切見ようとしない「マスコミの報道に踊らされるだけ」の日本人には絶対にならないようにしてください。まずは実態を自分の目で調査し物事を判断するところから「意見」が作られていくんです。

 

話がそれましたが「楽」かどうかはある意味主観。人によって異なる価値観です。残業100時間を超えてもやりたいことをやっているから全然苦じゃない、という方もいます。逆に言えば残業0時間だけど仕事が暇すぎて逆に辛い、という方もいらっしゃるみたいです。そういえば、暇すぎて鬱になる人がいるという話を聞いたことがあります。つまり「忙しさ」「楽」という判断は人それぞれであると言うことが言えると思います。

 

という前提で国家公務員の仕事量を見てみましょう。簡単に言うと、働いている組織、部署、係、時期によってバラバラです。3ヶ月以上ノー残業の時もあれば、繁忙期に残業時間が60時間を超えることもあると聞いています。国会会期中はさらに悲惨なことにもなるみたいです。また、スタッフそれぞれの力量によって帰る時間も前後すると思われます。

 

つまり、「楽」なときもある、というのが正解なのかもしれません。ただ、私から言わせてもらえば、民間企業も公務も仕事は仕事。楽な仕事もあれば楽じゃない仕事もあるし理不尽な仕事もあるし無駄な仕事もあるんです。だからそんな尺度で仕事を判断するのは無意味ってことです。公務員を目指されている方は、もっと仕事の中身についてじっくりと見ていく方が自分にとって実りのある情報を得られると思います。

 

ただ言いたいのは、「楽」さは自分で作り上げていくものであり、努力して生み出さなければならないものだと思います。自分だけで無理なら周りやチーム、上司部下や部署の中でみんなと協力し合い成し遂げていくものなんでしょう。公務は多くの人と協力し目標を達成する仕事ばかりです。そういうことを前向きに実現したいと思える方はぜひ公務員を目指してみてください。