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26歳既卒短期職歴有りの私が経験した公務員試験勉強、面接対策をご紹介します。職歴があっても合格はできる!

【概要】公務員試験と公務員の業務の関係について

 

公務員試験の問題を全く公務員試験を知らない友人に見せてみました。。。「無駄」「こんな問題を詰め込む意味がない」「単なる勉強しなかった人を落とすためだけの試験」という辛辣な感想ばかり言われましたが、受験勉強をしていた当時の私も同じような感想だったことは否めません。

 

数的推理」という小学生の算数に毛が生えた程度の問題を毎日ひたすら解きまくる。大学卒業したのに「歴史」や「生物」「化学」「物理」といった勉強をなんでしなくちゃいけないんだろう・・・ 「美術」「音楽」「哲学」、、、いったい国や地方自治体はどんな人物を求めているんだ?? モネやゴッホハイデガーサルトル、バッハやモーツアルトといった人たちとそれぞれの作品、またキュピズムやロココ調?といった分類までをひたすら覚えて問題を解く・・・ 公務員の仕事ってこんなのなの? と勉強を始めたころは違和感ばかり覚えたものでした。

 

そして受験後5年以上経過しました。そして多くの後輩や友人、ウェブを通じた受験相談をしてきたことや、実際の業務経験から「公務員試験の意図、意味」がわかってきたような気がします。今回はそんな「公務員試験の意味」を私なりにひも解いてみた結果をお話しします。

 

☆公務員試験の意味

公務員試験は大量の科目と大量の過去問、大量の試験範囲を抱える試験です。イメージですが、「100」範囲があるなら、実際に試験に出題されるのは「1」くらいでしょう。「1」でも多いかもしれません。例えば憲法という科目があります。日本国憲法第9条でおなじみですね。前半が「人権」(確か40条まで)、後半が「統治」(確か40条から103条まで)と言うカテゴリになっています。詳しくはウィキペディアなどで調べてみてください。日本人は憲法改正に反対したがるけど、そもそも憲法って何か知ってる人はほぼいないので、これを機に調べてみるのもいいかもしれません。。。

 

話がそれましたが、憲法って103条もあるんです。さらに9条もそうですが13条「幸福追求権」、14条「法の下の平等」、19条「思想・良心の自由」、20条「信教の自由」・・・と学説や判例で取り上げられる論点が詰まっています。法令解釈ってやつですね。○○教授の学派と□□教授の学派で考え方が異なる、とか芦部説(憲法のえらい学者さん)とかいろいろややこしい言葉遊びが横行し、とにかく学ぶべきポイントや出題される問題数が多いわけです。しかも103条もあるので、1条から103条まで全部学びきったとしてもかなり時間がかかります。まぁ、論点の少ない個所や問題数の少ない条文もありますので多少学ぶべき部分は減りますが、それでもかなりの勉強量と勉強時間を必要とします。

 

で、試験本番。国家Ⅱ種(国家一般職)だったら憲法は「5問」しか出題されません。スーパー過去問ゼミという問題集は2~300ページくらいあったと思いますが、全部を徹底的にやりつくし、学びつくしても出題数はたった5問です。国税や地方自治体もだいたいそんなもんです。国税は7問、地方自治体でも10問以下でしょう。

 

そんな5問のために1年間以上かけて問題集を徹底的にやりこみ、予備校に通ってる方なら授業を聞き、100近い憲法の知識を試験会場に持って行って「1」だけアウトプットするんです。

 

ここで「公務員試験の意味」についてお話しします。大切なのは「1」を確実に「100」から取り出してアウトプットすることです。100の中から「これじゃない」「あれでもない」「どれだ?」と探す暇なんて試験中にありません。適切に情報や意見、様々なデータを整理し、与えられた質問に対して的確に「1」を取り出す作業です。これは仕事も全く同じなわけです。

 

仕事ってやつは、様々な意見やオーダー、内部事情や予算、上司からの指示を勘案し、必要とされる結果を出すことです。とにかくたくさんの情報を元に、分析や思考を張り巡らし、これまでの経験や知識を総動員し、指示の内容に的確に応えることができる結果を期限までにアウトプットしなくてはいけません。言ってみれば公務員試験と変わらないわけです。

 

確かに公務員試験は憲法や経済といった実務で必要とされそうな知識だけでなく美術や音楽、物理や算数という科目まで出題されます。しかし、その科目の知識が役に立つのではなく、多種多様で広範囲の情報を的確に収集し、試験本番という期限にアウトプットし結果を出すという作業のノウハウが見られているのではないかと思うわけです。国家Ⅰ種の合格者たる官僚に東大卒の人間が多い理由も、大学受験において入試に出題される教科の吸収や理解、整理、アウトプットの力が日本の中でも最高峰だからでしょう。

 

となると、試験の結果は「公務員の仕事に適性があるか」を示すパラメータと言えるのではないでしょうか。という感じで私なりに公務員試験を分析してみました。

 

地方上級 教養試験 過去問500 2014年度 (公務員試験 合格の500シリーズ 6)

地方上級 教養試験 過去問500 2014年度 (公務員試験 合格の500シリーズ 6)